IT未経験者がLinuxを学びLPIC-1を取得したい!!【第2章Linuxのインストールとパッケージ管理】1/6
以下参考書をベースにして記事を書いています
リンク
【第2章Linuxのインストールとパッケージ管理】目次
- ハードディスクのレイアウト設計(本記事)
- ブートローダーノインストール
- 共有ライブラリ管理
- Debianパッケージの管理
- RPMパッケージの管理
- 仮想化のゲストSOとしてのLinux
- 目次に戻る
ハードディスクのレイアウト設計
Linuxインストールに必要なパーテーション
ハードディスクやSSDは「パーティション」という区分に分割して利用することができます。Linuxをインストールするためには少なくとも次の2つのパーティションが必要になります。
- ルートファイルシステムに割り当てるルートパーティション
- スワップ領域
実際には、さらにいくつかのパーティションに分割して利用するのが一般的。その理由としては次のようなことが挙げられます。
- 柔軟なシステム管理を行う事が出来る
- ディスクに障害が発生した時の被害を抑える事が出来る
- 障害発生時にスムーズな復旧作業ができる
以下に示すディレクトリ群は、独立したパーティションに割り当てるのが一般的です。
- /home
/homeには一般ユーザーがそれぞれ利用するファイルが格納されています。多数のユーザが利用するシステムの場合はとりわけ専用のパーティションに分割する必要があります。一人で使っている場合には分割する必要性は感じられないかもしれませんが、/homeを別にしておくとディストリビューションを変更したり、再インストールしたりする際、環境を引き継ぐことができるので非常に便利です。 - /var
/var(ヴァー: Variable)には、各種ログファイルやメールスプールなど更新頻度の高いファイルが格納されています。ログが大量に生成されログファイルが肥大化すると、ファイルシステムの容量を超えてしまう恐れがあります。ルートファイルシステムに/varがあると、ログがルートファイルシステムの容量を使い切ってしまい、システム全体に影響を与えてしまいます。/vavを別バーティションにすることによって、被害がシステム全体に及ぶ危険を減らすことができます。 - /usr
/usr(ユーザー: User Services and Routines)にはプログラムやライブラリ、ドキュメントなどが置かれています。あとからプログラムを追加するといったことがなければ、運用中に容量が増えることは基本的に問題ありあせん。NFSを使ってコマンドやプログラムを共有する場合には、/usrを読み込み専用でマウントしておく事によりセキュリティを高めることができます。 - /boot
システムによっては、ディスクの先頭パーティションとして数100MB程度を/bootパーティションに割り当てたほうが良い場合があります。例えばRAID(HDDを複数組み合わせて利用)を利用する場合、内蔵ハードディスク内に/bootパーティションが必要とされることもあります。 - EFIシステムパーティション(ESP)
UEFIを使ったシステムは、FATシステムファイルでフォーマットされたEFIシステムパーティション(ESP)が必要です。ESPには、OSのブートローダやデバイスドライバなどが格納されます。 - スワップ領域
スワップ領域は仮想メモリを領域として利用されます。(ノートPCの休止状態時にメモリ内容を保存するためにも使われる)。仮想メモリとは、物理メモリが不足した場合に、ディスクの一部を一時的にメモリの延長として使うことができるようにする機能です。スワップ領域のサイズの目安は、搭載されている物理メモリの1~2倍。つまり、物理メモリを4G搭載している場合は、スワップ領域として4GB程度を確保します。 - /ルート
上記以外は、ルートファイルシステム(/ディレクトリが格納されたパーティション)になります。ルートファイルシステムは出来るだけ小さくしたほうがいいとの事。そのほうがファイルシステムに障害が発生した時の復旧が容易になるからです。
パーティションのレイアウト設計
ディスクのパーティションレイアウトを設計する場合、次の点を考慮する必要があります。
- システムの用途
- ディスクの容量
- バックアップの方法
いくつかの例を見てみましょう
「20GBのHDDと512MBのメモリを搭載している場合」
- スワップ:512MB(物理メモリと同程度にする)
- / : 残り19GBがルートパーティションになる
「200GBのHDDと1GBのメモリを搭載し、ユーザー100人が利用するファイルサーバを構築する場合(/home以下を共有する)」
- スワップ : 1GB
- /boot : 100MB
- /usr : 10GB
- /var : 10GB
- / : 1GB
- /home : 約180GB
Webサーバを構築する場合(HDD:100GB、メモリ:4GB、Webサーバ:Apache HTTP Server)
- スワップ : 4GB
- /boot : 100MB
- /usr : 10GB
- /var : 20GB
- /var/log : 50GB(Webサーバのログファイルが容量を必要とするため)
- / : 15GB
今回はここまで!次回は「ブートローダインストール」を学習していきます!
【第2章Linuxのインストールとパッケージ管理】目次
- ハードディスクのレイアウト設計(本記事)
- ブートローダーノインストール
- 共有ライブラリ管理
- Debianパッケージの管理
- RPMパッケージの管理
- 仮想化のゲストSOとしてのLinux
- 目次に戻る
3件のフィードバック
[…] お疲れさまでした!記事にしたおかげか、若干理解できたような気がします。 次回は「第2章」になります!お楽しみに […]
[…] 第2章 Linuxのインストールとパッケージ(全6記事) […]
[…] ハードディスクのレイアウト設計 […]